リードは木管系の楽器には絶対不可欠なもので
このリードによって、演奏の善し悪しが大きく左右される事もある。
しかしながらリードに関しては今でも「これが正しい」という
いわゆる正道というモノが今ひとつ明白でないのが現状である。
そこで、私が考えるリードについての話をここに書く事にした。
前述した正道というモノがないのは、Jazz系のミュージシャンと
Classic系のミュージシャンとで、解釈が相当違うからである。
実際に全てがここに書かれている様な事はないが
このような傾向が強い様である。
まず、Classic系のミュージシャンは新しいリードを好むようである。
また、保管に関しても購入してから全てを一定の時間試奏し
それから善し悪しを見極めてすぐに使用する。
使用期間は短くて3~4日、長くても1週間~2週間が良い所だろう。
それに対して、私も含めてJazz系のミュージシャンは
古いリードを好む傾向が強いのである。
ただ、注意したいのはClassic系だからJazz系だからと言って
必ずしもこの傾向に当てはまるわけではない。
Classic系のミュージシャンでもリードを寝かせて使う人もいるし
その逆もまたしかりである。
そのため、「自分はJazz系だから」などの理由で当てはめない事を
強くお勧めする次第である。
私に関して言えばリードは購入してから一年以上は寝かせる。
長い時は二年三年と寝かせる事もある。
保管に関しては温度と湿度が一定した場所
一般的な場所では冷蔵庫が挙げられるが
人によってはワインセラーやマイク保存庫などに置く人もいる。
好きなだけ寝かせてから初めて封を開けて試奏して善し悪しを決める。
使用期間は本当に人それぞれで、数時間で替えてしまう人もいれば
一ヶ月以上使用する人もいる。
私は平均で一週間から10日で替えてしまう。
ここで一つ面白い事に、バンドーレン社に関して言えば
同社の主張としてはClassic系のミュージシャンに
多い傾向の使用法を推奨している。
というのも、リードの材料である芦が時間を追うごとに
リードとして使用するには良くないと言うのである。
とはいえ、有名なJazz系ミュージシャンの中には
この推奨している方法と全く逆の方法をとっている人が多く
私も寝かせたリードの方が音に味が出て良いと考えている。
新しいモノを使うと、意図せず艶っぽい音になりやすい場合や
どうもしっくり来なかったり
リードの善し悪しにバラツキがあるように感じる。
しかし前述したとおり、分けて考えるとClassic系、Jazz系だからといって
これに当てはまるわけではない。
リードの削り方に関しては両者共に傾向はなく
人それぞれの好きなやり方があるようである。
おおよその基本は管楽器店にあるような本に掲載されている。
使用器具はヤスリやナイフなど
個人の好きなモノを使用すると良いだろう。
一般的なモノは同じく管楽器店の店頭に並んでいる。
このリードに関しては未だ方法が定まっていないだけに
今後も混乱を呼びそうである。
もし、リードに関して私の方法を詳しく知りたい方や
リードに関しての悩み相談がある方は
E-mailにて質問して頂きたい。
2007/01/03追記
少々前の話になってしまうが先日David Sanborn氏にお会いした時に
彼のリードの保存法を知る事が出来た。
彼の考えではリードは状態の変化が一番劣化させる原因だと言う。
つまり乾いた状態のままにするか、湿らせた状態のままにするか
どちらかでキープする方が良いとの事である。
彼の場合は、気に入ったリードは円柱型の密閉できるケースに
水分を入れて、その中にリードを立てて保存していた。
その水分に関しては詳しく追求しなかったが
個人的には本当にこまめに入れ替える事を前提に水で良いと思われる。
私も実際にやってみたが、確かに効果があった。
気になる人は試してみて頂きたい。