MicrosoftがWindowsXPのSP2を発表した。
今回のアップデートでセキュリティーの面で
大きな向上が見られるとのお触れである。
様子を見ていると、確かにセキュリティーに関しては
格段のレベルアップが成されている。
大抵のウィルスや悪意のあるプログラムはメールやブラウザから侵入する。
今回どうのようにしてセキュリティーのレベルアップが成されたのか。
これが大問題なのである。
というのも今回からブラウザに大規模な変更が加えられており
しかもその変更は利用者にとって危険な望ましくないものである。
MicrosoftのブラウザであるInternet ExplorerはActiveXという
Microsoftの開発したサポートプログラムの様なモノを使用している。
これは簡単な所ではFlash、Quick Time、Real Playerといった
有名なプログラムを使用したコンテンツ、つまりWeb Siteが
容易に見られなくなるのである。
コンピュータに精通している人ならば良いのだが
多くのWeb Siteの閲覧者はコンピュータのプログラムに関して
詳しい人はほとんどいないと言って良いだろう。
先程あげたFlashなどのプログラムはあらかじめブラウザに
インストールされているモノもあるが、バージョンアップした場合などは
もう一度新しいバージョンのモノをインストールしなければならない。
その時に今までならば、ポップアップウィンドウが出てきて
バージョンアップしたい場合は「はい」をクリックすれば良かった。
しかしこのActiveXの変更によって、それが非常に困難になったのである。
今回の変更により、非常に難解なメッセージが表示され
ユーザが新しいプログラムやバージョンアップしたいプログラムを
インストールする時に幾つかの脅しのメッセージをを乗り越えて行かなければならない。
脅しのメッセージとは、「あなたがインストールしようとしているこのプログラムによって
あなたのコンピュータがどうなっても知らないよ。それでもホントに良いの?」と言った様な
内容のメッセージなのである。
しかも、それを今までは一回のクリックで良かったのが、幾つかの手順を踏んで
初めてそのメッセージにたどり着ける様に変更されている。
MacintoshのOSの様に頻繁にバージョンアップされ、OSの値段も安価ならば
OSが普及してしまえば、中のブラウザのプログラムも新しくなっているわけで
Web Siteが見られないという事態にはならないが
Microsoftの様にOSを5年もバージョンアップせず、値段も馬鹿みたいな値段を
設定する会社の場合はユーザは古いOSを使い続けるハメになり
いつまでたってもブラウザのプログラムは変わらず
見ることの出来ないWeb Siteが増えていく。
ブラウザに入るプログラムの中身に関してしっかりと理解している人ならば良いが
そうでない人は、どのプログラムが安全で、自分に必要なのかが解らない。
つまり、危険を感じてプログラムをバージョンアップしない。
これでは企業を始めとする様々なWeb Site制作者にとって驚異である。
つまりMicrosoftのブラウザに元々入っている技術以外は
使用するなと勧告されたのと同じ事になるのである。
これではMicrosoftが開発しているブラウザのプログラム以外の
プログラム制作会社はMicrosoftに取り入って金を払ってどうにかするか
諦めるかのどちらかの選択肢しかなくなってしまう。
なにより問題なのは確かにこのActiveXの変更によりセキュリティーは上がるが
その他の方法が無いわけではなかったのである。
MacintoshのOSが良い例であり、Macintoshのブラウザには
その様な問題はなく、どの会社のプログラムも正常に動作する。
動作しないモノといえば協調性の全くないMicrosoftのプログラムだけである。
しかし、さすがはApple。
MicrosoftのブラウザにはAppleのプログラムは完全に動作する。
このあたりが懐の深さの違いを露呈する。
とにかく、安易にWindows XP SP2に乗り換えるのは危険である。
大事な情報が見られなくなるかも知れない。
これは完全にMicrosoftの陰謀である。
その証拠に今回のバージョンアップだけ、郵便局を始め
様々な場所でバージョンアップのプログラムを配布しているのである。
Microsoftがこの様な形でユーザがバージョンアップしやすい
状態にするのはこれまでなかった。
となると、このバージョンアップが成された後での
Microsoftの利益を考えれば、その為の先行投資の為に
無料でバージョンアッププログラムをそこら中にばらまいているのに
納得がいくというモノである。
私も今回のバージョンアップに関しては本当に怒りの念が耐えない。
馬鹿みたいな高額な値段やOSの駄作を世間にばらまくならまだしも
その駄作を逆手に取って他の会社やユーザまでも
巻き込んだ今回の経営戦略は酷すぎる。
今後のMicrosoftの動きには要注意が必要だと思われる。