オランダで行われているワールドユース選手権で
日本は決勝トーナメント初戦、モロッコと対決した。
今回は水野がスターティングメンバーで出場し
今までキャプテンだった兵藤を怪我もあり
控えに下げてのスタートとなった。
前半が始まった直後はモロッコの強力な攻撃に
日本は完全に浮き足立っていたが
前半10分を過ぎると落ち着きを取り戻し
ボール支配率が上がってきた。
また、私が注目しているカレン・ロバートが
素晴らしいシュートで再三相手ゴールを脅かす。
しかし枠には行っているものの、得点には至らない。
そのまま前半は終了した。
この試合でやはり目立つのはカレン。
何と言っても異常な運動量で中盤は勿論の事
DFの位置まで戻り、相手の攻撃をカットする。
今のところ得点はないが、彼は重要なキープレイヤーである。
さて、後半が始まり日本は落ち着きつつ
ボールをしっかり支配して攻め立てる。
しかし前半同様なかなかゴールを割ることが出来ない。
個人的には平山のテクニックの無さが得点から
日本を遠ざけているように思えてならない。
とにかくトラップがあまり良くない上に
相手のディフェンスラインの裏を取るというプレイがない。
彼の長所といえば長身を生かしたヘディングだけだろう。
パスも日本ユース代表の平均レベルよりは下で
ポストプレイが出来ない。
運動量もカレンや水野・家長・梶山らと比べると
決定的に劣っている。
この硬直状態を打破するために大熊監督は
家永の代わりにスーパーサブの前田を投入する。
前の試合で途中出場で得点しているだけに
大いに期待できるプレーヤーである。
しかしそれに反して少しずつモロッコに流れが向き始める。
それを良く防いでいるのが前回大きな失敗で
痛恨の失点を喫してしまったGKの西川である。
良い判断で日本の守護神となり頑張っている。
そんな苦しい時間帯に疲弊してきた水野に変わり
兵藤を投入し、流れを変える作戦に出た。
このモロッコの流れをこの試合通して
良く防いでいるのが水本である。
1対1の場面で非常に強い能力を発揮し
モロッコの流れを食い止める。
このあたりはA代表の中沢に似た雰囲気である。
ただ、それでもモロッコのペースを崩すことは出来ない。
後半終了に近づくにつれて、ガンガンに攻め立てられる。
この決勝トーナメントからは引き分けの場合は
30分の延長戦、それでも決まらない場合はPKとなる。
相手の身体能力を考えると体の小さな日本は
時間が長引けば不利になる可能性もあるだけに
どうにか得点して勝利を収めたいところであった。
そんな中、ついにロスタイムに試合が動いた。
両チーム共に疲れから粗いプレーが続いていたが
日本の粗雑な守備からボールを奪われ
モロッコに得点を許してしまう。
そのままファンが乱入するアクシデントもあったが
ついに試合終了。
日本はこの大会で一度も勝利する事はなかった。
予選では0勝1敗2引き分けで
決勝トーナメント第1戦で敗退。
なんとも奇妙な結果でのワールドユースだったが
それでも日本選手には大きな経験が残ったことだろう。
彼らが次世代の日本のA代表を引っ張ってくれるだけに
今後も大いに活躍して欲しいものである。
お疲れ様日本代表。