女子バレーワールドグランプリ決勝ラウンド最終戦で
日本はアテネの覇者、世界最強の中国と対戦した。
一昨日、昨日とブラジル、キューバに敗戦を喫し
特にキューバ戦では最終セットでデュースまで
追い込んでの敗戦であり、この鬱憤を一気に
この中国戦で爆発させ、最後に勝利を掴んで欲しい。
日本は吉澤をスタメンに据えているが
菅山の太腿の怪我も癒えたという情報もあり
この試合はベストメンバーで臨むことが出来そうである。
第1セットは中国の先制点で始まるが
ここはやはり高橋が決めてやり返す。
高橋はこの大会でベストスコアラー賞がかかっており
この得点で2位に並んだ。
序盤は全く気の抜けない一進一退の試合で
最初のタイムアウトは7-8と中国リードで迎える。
タイムアウトが明け、ついに中国の
3連続ポイントで7-10と点差が開く。
相手は高橋を完全にマークしており日本は苦戦しそうである。
しかしそれでも中国は高橋だけは止める事が出来ない。
大友は相変わらずアタックで決め、そしてサーブで外して
プラスマイナス0の状態で頼りにならない。
サーブ以外では良い選手なのだが、もったいない事である。
12-15となったところで日本は菅山をサーバーで投入。
中国のミスと、高橋の知的なプレイで14-15。
ここで一気に流れを引き寄せたいところである。
終盤に入り今度は日本が崩れ、15-18となるが
この流れを切ったのが大友である。
そしてその流れに乗り、復活した菅山が強烈に叩き落す。
点差は縮まらないが、日本は自分たちのリズムを
取り戻しつつあるようである。
日本は杉山、菅山、宝来、高橋と強力な布陣で
中国を追い上げるが21-24と中国のセットポイント。
ここで高橋がまたも決めて22-24、そして相手のミスで
23-24と一気に1点差まで詰める。
中国は堪らずタイムアウトを取り立て直しを図り
最後は決められて第1セットは落としてしまう。
しかし中国も気持ちの良い勝利とは言えないだろう。
第2セットに期待したい。
昨日ブラジルに対してストレートで、しかも各セットで20点以上
取らせなかった中国に対して、これは良い滑り出しである。
第2セットは右足が癒えた菅山が最初から入り
相手のミスで日本の先取点から始まる。
第1セットの途中から中国は少々歯車が狂ってきており
日本はこのセットで中国を一気に崩しておきたい。
この場面でやはり大友はサーブを外す。
しかしこれをカバーするのが菅山。
直後に強打で打ち抜き、やり返す。
菅山があまりマークされていない為か
その後も強打で中国を打ちのめし、素晴らしい活躍を見せる。
菅山、高橋が活躍し相手の目が逸れたところで
大友や杉山を使い、日本は引き離されずに
最初のタイムアウトを7-8と中国リードで迎える。
この試合はこれまでと違い、第1セットから日本は飛ばしている。
タイムアウト明けに高橋が知的に決めて高橋は
この大会でのベストスコアラー賞トップに並んだ。
そしてこの良い流れで大友のサーブ。
しかし、この場面でついに大友のサービスエース。
これは値千金のサーブである。
と思っていたら、次のサーブでサーブミス。
そしてそれに誘われるように中国もサーブミス。
相手に感染するとは相当重いメンタル面での負の感情を
背負っているのだろう。
12-14となった後、高橋がまたも決めて
ついにベストスコアラー賞で単独トップに立った。
既に他の試合は終わっており、中国には争う選手が
いないため、これで高橋のベストスコアラー賞が決定した。
そして2回目のタイムアウト直後に日本が反撃に出る。
相手のミスに続き宝来がブロックを見事に決め
中国の流れを崩し15-16とし、中国は堪らずタイムアウト。
タイムアウトが明け、またも宝来が決めて16-16。
しかし中国も譲らず3連続ポイントで16-19。
日本はタイムアウトを取るが、この流れが止まらず16-21。
この流れを切ったのが高橋の強打である。
相手のブロックを打ち抜き、流れを作る。
その流れに乗って宝来も決めて21-18とする。
そして日本は宝来の活躍で20-23と何とか20点に乗せる。
しかし中国も負けず20-24とセットポイント。
そこで今度は日本は大沼が決めて21-24。
続けて中国が自ら崩れて22-24と日本が追い上げる。
中国はここで第1セットと同じく嫌なタイムアウトを取らされる。
タイムアウトが明けて中国が決めて22-25と
第2セットも連取するが、あまり良い形ではない。
日本は何とか第3セット、第4セットを連取し、最終セットで
勝利を収めて欲しいものである。
第3セットは中国の2連続ポイントで始まる。
しかしライトからの菅山の攻撃が決まり2-3とする。
やはり菅山が入ると日本は勢いが良くなる。
リベロの桜井は菅山が拾うことで楽になり
セッターの竹下は菅山の攻撃力を使用して
攻撃方法の選択のバリエーションが広がる。
そんな流れを崩すように大友のサーブミスは続く。
ここまで来ると日本としては大友にサーブを
打たせない様にピンチサーバーを入れるべきだろう。
それもあり最初のタイムアウトは
4-8と中国に大きくリードされる。
しかし高橋やこの試合の決定率60%という菅山の活躍により
8-10と追い上げ始める。
大友もアタックでは活躍をみせ、良いリズムが生まれ始める。
ただ点差は縮まらないまま2回目のテクニカルタイムアウトを
13-16と中国リードで迎える。
タイムアウトが明け、菅山の圧倒的な攻撃が決まる。
しかし中国の直後に2連続ポイントを決め
日本は苦戦を強いられ、タイムアウトを取る。
タイムアウトが明けると、またも菅山が決めて
直後に杉山のサービスエースで2連続ポイント。
その後でまたも菅山が決め、直後には驚異的な守備力で
拾ったボールを宝来が決めて日本は18-19とし
今度は宝来がブロックを決め、ついに19-19と同点に追いつく。
菅山はこの大会が終われば、またチームでリベロに戻ると
言っているが、私が監督ならもうリベロで起用はしないだろう。
彼女をリベロで起用すること事体が日本の損害である。
このあたりで中国が崩れ始め、杉山のブロックなどもあり
22-22と試合は面白い方向に展開していく。
得点とは関係なしに凄いのが菅山である。
さすがリベロと言うべきか、桜井の役目を奪う活躍で
ボールを拾いまくっている。
そして中国にマッチポイントを許すも、高橋が決めて23-24。
しかし最後は日本のネットタッチという判定で23-25と
中国に敗れてしまう。
結果だけ見ればストレート負けであるが
この試合に関してはその結果とは違い
非常に多くの大事なモノを得た。
決勝ラウンドは1勝しか出来なかったが
この結果も、この試合と同じく多大な収穫があった。
今大会で世界との距離を感じ取り、北京では借りを返して欲しい。
そして高橋はこの大会でベストスコアラー賞を取り
強豪がひしめくこの大会で素晴らしい結果を残した。
今後も大いに頑張って欲しい。
今度の北京五輪は大いに楽しめそうである。
お疲れ様、全日本。