バスケットボール世界選手権2006で
残り1枠となった枠を争い、日本とニュージーランドが衝突した。
日本はこの試合に勝てば決勝トーナメント進出となり
この一勝には非常に大きな意味がある。
対するニュージーランドは今現在全敗で調子が出ていない。
日本のスタメンは五十嵐、折茂、網野、竹内兄、古田の
不動の5人で臨む。
第1クォータはニュージーランドのポイントから始まる。
日本は立ち上がりのトランジション(攻守の切り替え)が悪く
ニュージーランドの良い立ち上がりについて行けていない。
ニュージーランドは本来は強いチームであり
前回の世界選手権ではベスト4に入ったほどのチーム。
日本は近年レベルアップしているとは言え、全く気が抜けない。
そんな相手に対し日本は世界に通じる最速ポイントガードの
五十嵐のスピードでニュージーランドを攪乱し速攻で崩しにかかる。
その後も五十嵐や折茂の連続3ポイントなどでリードに成功する。
特に折茂はこの試合の直前インタビューでシュート練習での
感触が良いと話しており、大いに期待が出来そうである。
五十嵐も、このグループリーグ前半の試合とは打って変わって
本来の調子を取り戻しており、こちらも楽しみである。
第1クォータはセンター古田のディフェンスが光り
ニュージーランドからオフェンスファウルを引き出し
攻撃面では途中から入った桜井の終了間際残り4秒での
目の覚めるようなスピード溢れるプレイで最後まで良い調子で
26-13でリードして第2クォータにつなげた。
第2クォータは網野の3ポイントで始まる。
ニュージーランドは焦りからか、全く良いところがなく
第2クォータも完全な日本ペースである。
特にディフェンスに関しては開始から2分30秒間
ニュージーランドを無得点に抑える活躍。
少々ファウルが多いのが気にかかるが
このリズムで行って欲しいところである。
そして第2クォータはこの調子でリードを広げ
38-20と大きくリードして前半を折り返す。
迎えた第3クォータはニュージーランドのポイントで始まる。
しかし日本も途中から入った川村の3ポイントでやり返し
日本の優位は相変わらずである。
ただ、ニュージーランドも盛り返してきており注意は必要である。
そのまま少々リードを詰められるも48-36でリードで最終クォータへ。
第4クォータは最初どちらも得点のないままだったが
日本の素晴らしいパス回しから折茂がインサイドに切れ込み
フリーで決めて日本のポイントから試合が展開する。
この最終クォータ、時間が経てば経つほどニュージーランドが
焦っており、ラフプレイを連発。
このまま行けば行けると思われたが
これまでアウトサイドからのシュートが得意なはずが
全く調子の出なかったキャメロンが
3ポイントを連発し成功しており、これをしっかりと防げば
どうにかなるのだが、このキャメロンの3連続3ポイントで
一気に点差が縮まり52-48まで詰め寄られる。
こうなると逆に日本が焦り、ファウルを犯してしまう。
しかし前回4位だったニュージーランドも今大会の成績には
満足しているわけもなく、この場面では焦る。
両チーム共に大きなプレッシャーの中、残り3分で
55-52と日本のリードは僅か3点。
これまで楽観視出来た試合だったのがウソのようである。
そして残り2分で55-54とついに1点差に詰め寄られたところで
日本のタイムアウト。
もう見ている方も胃に穴が開きそうな試合である。
しかし、この場面で試合は恐ろしい展開に。
ニュージーランドのファウルから得たフリースローを折茂が決め
その後、今度はニュージーランドの3ポイントが決まり
57-57と試合はついに振り出しに戻った。
この時点で残り47秒。
個人的にはもうテレビの電源を切りたい程の重圧である。
そしてその後、またもニュージーランドの3ポイントで
57-60と逆転、日本は攻めるがニュージーランドに防がれ
残り4秒となり、ボールは未だニュージーランドボール。
日本はここでファウルゲームに持ち込み、残り2秒で
相手のフリースローに持ち込む。
このフリースローをミスすれば、そこからどうにか3ポイントで
同点に持ち込める。
相手はフリースロー2本ともミスしたが、残り2秒では
時間がなく、この土壇場でニュージーランドの勝利。
もう愕然として動けない。
ここまで来て負けてしまうのはあまりに酷な話である。
ただ、負けてしまったとは言え、明日のスペイン戦に
日本が勝利すれば、日本は文句なしで決勝トーナメント進出。
しかしスペインは強豪国であり勝利できるかは微妙である。
もしスペインに負けたとしてもニュージーランドが
パナマのとの試合に負ければゴールアベレージで
日本が決勝トーナメント進出出来る可能性はある。
しかし、日本が勝ってもニュージーランドがパナマに勝ってしまうと
当該国同士の試合で日本はニュージーランドに負けているため
グループリーグ敗退となってしまう。
まるでワールドカップのオーストラリア戦を見ているような試合だったが
とにかく、明日の日本対スペインの試合に期待する事にしたい。