世界バレー2006で、日本は二次リーグ最終戦
メダルをかけて前大会王者のイタリアと対戦した。
このイタリア戦に勝てばベスト4進出となり
メダルへ大きく近づく事になる。
昨日のセルビア・モンテネグロと違い
イタリアは完全な格上であり、ワールドグランプリでも
大敗を喫している相手である。
しかし一筋の希望として、イタリアは昨日戦った
セルビア・モンテネグロに負けており
日本はそのセルビアに勝利している。
しかも、その勝ち方は大逆転であり
今の日本は大きな流れに乗っている事は確かである。
綱渡りの試合に見えたかも知れないが
昨日の試合はデータを収集し、セルビアという相手の
独特の戦い方に慣れるまでに2セットを要したと考えられる。
イタリアはセルビアと違い、既に日本に数多くのデータがあり
特徴もセルビアよりは解っているだろう。
それにイタリアは今大会絶好調と言う感はなく
セルビアよりも勢いがあるとは考えにくい。
それだけに、何とかイタリアに勝利して
悲願のメダルに近づいてもらいたいものである。
日本のスタメンは昨日と同様に竹下、高橋、荒木、木村
杉山、小山、そしてリベロに菅山という布陣。
対するイタリアもリニエーリ、ビッチニーニを中心に
最強の布陣で試合に臨んでいる。
第1セット、いきなり日本のミスでイタリアのポイントで始まる。
序盤はイタリアの連続得点が影響したのと
日本がまだリズムに乗り切れていない事も重なってか
最初のテクニカルタイムアウトは5-8でリードされて迎える。
イタリアを倒すためには最初のセットが肝心であり
何とかここから盛り返して貰いたいものである。
しかしこのタイムアウトの後、木村の連続ポイントや
荒木のクイックなどで8-9とリードを縮める。
ここまでを見ている限りは勝てない相手ではない。
たださすがはイタリア、2回目のテクニカルタイムアウトでは
11-16と日本はリードを広げられてしまう。
試合はそのまま15-20とイタリアペースでセット終盤へ。
そして17-24とイタリアのセットポイント。
最後はイタリアのブロックポイントで17-25で
日本は大事な第1セットを落としてしまった。
続く第2セットもイタリアのポイントで始まる。
第1セットもそうだが、どうも日本の攻撃が通らない。
ブロックされるか、拾われるかである。
序盤のイタリアの5連続ポイントが大きく影響し
最初のテクニカルタイムアウトは5-8で
またもイタリアリードで迎える。
しかし中盤に来て日本が徐々に盛り返す展開。
そんな中、小山のブロックポイントで12-14としたところで
イタリアのセンタープレーヤーのパッジが負傷退場。
このイタリアのスタメンが一人抜ける事は痛手であり
日本にとってはチャンスとなる。
2回目のテクニカルタイムアウトは13-16で
日本に流れは来そうだが、スコアには現れていない。
その後もイタリアはサーブレシーブの悪い木村を
徹底的に狙い、なかなか日本に流れを渡さない。
しかしセット終盤に来て、日本が怒濤の5連続ポイント。
20-21と一気に1点差に詰め寄る。
20-22となったところでイタリアはチェントーニを投入。
このチェントーニは日本戦に滅法強い嫌な選手である。
それでも日本はここでまたも連続ポイントで
22-22とついに同点に詰め寄る事に成功。
そしてこの後、木村のアタックで23-22と
この大事なセット終盤に来て逆転に成功。
何とかこのまま勝って貰いたい。
イタリアのポイントを挟んで、高橋のアタックにより
24-23でついに日本のセットポイント。
しかしこの後の高橋のスパイクがアンテナに当たり
24-24とデュースとなり、そこでイタリアに取られて
24-25と今度はイタリアのセットポイント。
ところが、ここでイタリアがスパイクミスで25-25と
またもデュースに持ち込む。
そしてここまで散々止められながらも
諦めない小山の強烈なアタックで26-25と日本のセットポイント。
しかしその後、今度はイタリアも負けずにデュースに戻し
連続ポイントで26-27でまたもイタリアのセットポイント。
そして最後はイタリアのブロックに捕まり26-28で
第2セットも同じくイタリアに連取されてしまう。
良い流れだっただけにこのセットを取れなかったのは手痛い。
迎えた第3セットもイタリアのポイントで始まる。
このセットもこれまでと同じ展開のまま
5-8とイタリアリードで最初のテクニカルタイムアウトを迎える。
日本は今大会No.1リベロの呼び声高い菅山のレシーブや
小山のサーブポイントなどで流れを呼び込むのだが
その度にイタリアのブロックに悩まされる。
高橋や杉山は非常にバランス良く決めているが
それだけではイタリアに勝利するのには厳しい。
中盤に日本は追い上げを見せるが
再びイタリアに引き離され、2回目のテクニカルタイムアウトも
13-16とイタリアリードで迎える事となる。
しかしこのタイムアウトの後、またも日本は盛り返す。
長いラリーを制するなどして15-16と1点差に詰め寄り
そのままイタリアに食い下がる。
そして木村の活躍で17-17とついに同点に持ち込む。
こうなれば昨日のセルビア戦の奇跡をもう一度起こして欲しい。
ところがイタリアがここで連続ポイントで突き放す。
しかし日本も食い下がり22-23とするが
ここで日本のミスで22-24とイタリアのマッチポイント。
日本は小山のスパイクで23-24とするが
最後はイタリアのスパイクが通り23-25で
イタリアにまたも屈辱の敗戦を強いられる。
イタリアに敗戦し、日本のメダルは消えたが
まだ決勝リーグでの5位~8位決定戦が残っている。
決勝リーグ初戦はオランダ。
この敗戦の経験に決勝リーグで大暴れして貰いたい。