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日本対北朝鮮

ドーハ・アジア大会でサッカー日本代表は
第3戦、北朝鮮との試合に臨んだ。
ここまで2連勝と調子の良い日本だけに
このまま突き進み一気に優勝と行きたいところである。

日本のスタメンはGK松井、DFに一柳、水本、青山直晃、辻尾
MFに本田圭佑、増田、家長、青山敏弘、谷口
FWには平山といった布陣。
日本はこの試合で勝つか引き分ければ
グループリーグ突破が決まる一戦。
北朝鮮は現在グループリーグ2位につけており
格下と言えど油断は出来ない。

試合開始直後、いきなり試合は動いた。
前半2分、明らかにファウルの必要が無い場面で
日本は自陣ペナルティーエリア付近で
ボールを持っていない相手を倒し、FKを北朝鮮に与える。
このFKが綺麗に決まってしまい
前半わずか3分で0-1と北朝鮮に先制ゴールを許してしまう。
なんとも厳しい立ち上がりとなってしまった。

しかし日本はその直後の前半7分に右サイド本田の突破から
キラーパスがオーバーラップした増田直晃に通り
ここから絶妙なクロスがあがる。
このクロスを一柳が綺麗にヘッドで決めて1-1と
早い段階で同点とする事に成功。
このゴール判定で一瞬審判の判定が微妙となったようだが
ゴールの判定となり、事なきを得た。
この同点弾で北朝鮮は精神的に嫌な雰囲気に包まれた事になる。

同点になったとは言え、日本のディフェンスの立ち上がりが
少々ばたついて、度々危険な状態になっている。
北朝鮮に裏をかかれる事が多く、心配である。
ただ、日本の攻撃も北朝鮮に有効であり
そちらは安心してみていられる。
早い段階で追加点を取り、リードを広げておきたいところである。

北朝鮮のスタメンにはワールドカップでのメンバーが9人入っており
個人的にはこれが大きな不安材料である。
単にA代表に近い実力と言うのではなく
ご存じの通りワールドカップ最終予選で
北朝鮮は乱闘を起こし、審判にまで手を挙げ
大問題となり、日本戦での開催国の変更までさせたチーム。
そのチームの時の選手が9人も入っているのである。
スポーツにとって絶対にやってはいけない審判への暴行。
日本としてはこのダーティーな可能性の高いチームに対し
挑発に乗らず、怪我のないように試合を終了して欲しいものである。

その後、日本は徐々に本来の調子を出しつつあり
特に攻撃面では良い場面が多くなるが
ディフェンス面ではやはり立ち上がり同様厳しい場面が続く。
ディフェンスと言うよりも、ボールを取った後の
日本から見て低い位置で北朝鮮にボールを奪われる事が多く
そのポイントから北朝鮮に決定的な攻撃を仕掛けられる。

前半終了間際、日本は試合開始直後に点を取られた位置で
本田が相手を倒ししてしまい、FKを与えるが
幸いにも北朝鮮のFKは日本の壁にあたり得点には至らず
その後も前半終了まで日本にとって危険な時間が続いたが
結局そのまま何とか1-1のまま前半を終了し後半へと突入する。

前半はとにかく日本のミスで相手にチャンスを与えることが多く
その修正をどう後半までにするかが後半のポイントとなるだろう。

迎えた後半、日本はDFの水本を下げて本田拓也を投入。
そして家長を一列下げてDFに近いポジションにし
谷口を一列上げて高い位置で起用し試合を再開している。
この変更で日本は前半の修正が出来るかが見物である。

しかしこの後半投入の本田拓也が後半開始2分で
何ともくだらない位置で、ボールに全く絡んでいない選手と
いざこざを起こして相手選手を倒しイエローを貰うなど
見事に北朝鮮の挑発に乗って出鼻を挫かれる。
どうやら北朝鮮選手から何かされた感があるが
それでもそれに乗ってイエローを貰ってしまっては
相手の思うつぼであり、何ともレベルの低い相手の
水準に合わせる事になってしまう。
このあたりは気を付けて頂きたい。

その後も一柳が自陣ペナルティーエリア付近で相手を倒し
イエローを貰うなど、日本は何かと良くないプレーが
後半の立ち上がりの雰囲気を悪くしている。
そして何より悪いのが、このドーハでは審判のジャッジが
日本に取って不利なものである事が解っているはずなのに
北朝鮮の挑発行為がファウルとならない事に
日本選手が苛立っており、これが日本のプレーを
粗悪なモノにしている一番の原因だろう。
焦りや、憎悪と言った負の感情は、球技には禁物である。

そんな後半17分、またも北朝鮮のFKが決まってしまう。
日本は自陣ペナルティーエリア付近中央でハンドを犯してしまい
そのFKが前半同様に日本のゴールに吸い込まれ
1-2とここに来て勝ち越されてしまう。
日本が決勝トーナメントに進出する為には
この北朝鮮戦に勝利、もしくは引き分けてグループ1位に
ならない限りグループリーグ突破は出来ない。
現在日本は1位だが、この北朝鮮は2位。
その勝ち点は6と4で、この試合に北朝鮮が勝利してしまうと
勝ち点が6と7になってしまい、日本のアジア大会が終わってしまう。
優勝を目指す日本としては何としてもこの試合で
勝利しなければ今後得られる経験も含め
大きな損失が出てしまうだろう。

後半23分、谷口がファウルでないプレーでゴールを奪うが
ここでアウェイでの審判のジャッジが影響しファウルの判定。
日本選手にとってはこれが大きな不満となりそうだが
これにめげずに攻め続けて欲しいところである。

日本は後半32分、青山敏弘を下げFWの前田を投入。
この交代で攻撃力を上げて同点を狙う布陣である。

後半の悪い立ち上がりから日本は徐々に調子を戻し
再三良い攻撃を仕掛けるが、残り10分となっても
未だ得点に至らず、何とも嫌なムードが流れる。

日本は後半も残り僅かとなったところでDFの青山直晃に代えて
カレン・ロバートを投入し最後の攻撃を仕掛ける。
しかしそれも虚しく試合終了。
グループリーグ突破は行けると思っていただけに
何とも観戦している方としてもショックが大きい。
まさにドーハの悲劇再来と言った感がある。
しかも相手がスポーツマンシップのない北朝鮮との試合で
相手の挑発に乗ってしまった形での試合なだけに
非常に口惜しい事極まりない。
何とか次の機会までのU-21日本代表の成長を期待したい。