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ブラジル対ガーナ

ドイツワールドカップ決勝トーナメント。
本日の見所はブラジル対ガーナ。
先日の日本にとっては屈辱の布陣から一転し
ブラジルは最強の布陣である。
対するガーナはアッピアーとアモアーを中心に
今大会でイタリア、チェコ、アメリカという
強力なグループに入っていながら
しっかりと2位で通過しビッグサプライズを起こしてきた
興味深いチームであり、ブラジルに対して
かなわないまでも一泡吹かせて貰いたい。
残念ながらガーナの中盤の要のエッシェンは
累積イエローのため、欠場となっている。
ガーナはアフリカのブラジルと称されるほどのチーム。
この本家ブラジルとの試合でどこまで食い下がれるか
非常に面白い試合となりそうである。

試合開始から、ブラジルはロナウジーニョを中心に
攻めてきており、試合はブラジルペースで進む。
凄いのはガーナがしっかりとディフェンスをしているのだが
ブラジルがゆっくりとパスを回せている事。
しかもそのパスがワンタッチだったり
相手の頭上を越すループだったり
それをヘッドでパスし、そのパスを恐ろしく柔らかいトラップで
すぐに次へとパスをするといった異常なまでの個人技である。

ガーナもブラジルにテクニックでは劣ってしまうものの
その身体能力では十分に通用するものを持っており
ブラジルも油断は出来ない。

そんな前半9分、いきなり試合が動く。
ガーナがアドリアーノに対してラインを合わせた瞬間
カカがキラーパスを送ると同時にロナウドが一気に飛び出し
相手GKを落ち着いてかわしてゴール。
このゴールでロナウドはワールドカップ通算15ゴールと
ついに新記録を打ち出した。
印象では明らかにスピードがなく、弱いと思っていたが
どうやら今までのロナウドはロナウドであってロナウドでないようである。
恐らくパレイラ監督は今まで調子のでないロナウドに対して
使い続けることで調子を取り戻させ、前大会の様な
本来のロナウドの実力を引き出す作業を必死にやっていたのだろう。
それがここへ来て一気に開花したと言ったところである。

この得点以降、ガーナは大いに焦り、ファウルを続発。
イエローも2枚もらってしまっており、苦しい展開となってきた。
それに対してブラジルは冷静に対処し、しっかりと自分たちの
サッカーを組み立てており、やはり一枚上手な感がある。

しかし、前半中盤に入ったあたりから
ガーナの良い攻撃が見られる。
やはり今大会でビッグサプライズを起こした実力は
嘘ではないと言うことが証明されたわけである。
徐々に自分たちのサッカーの形を出そうと
奮戦しており、このブラジルとの攻防が面白い。

このガーナの猛攻はますます激化しており
ブラジルよりも圧倒し攻め続ける。
決定的なチャンスも多く、ブラジルが防戦一方となっており
ますます面白くなって来ている。
後半41分にはコーナーからのクロスをガーナのメンサーが
強力なヘッドで打ち込んだが、ブラジルGKジーダの足にあたり
不運にもゴールならず。

しかしそんなガーナペースをブラジルが黙っているわけはない。
前半終了間際、カウンターで一気にブラジルが上がり
右サイドのキャプテンカフーからのパスを
オフサイド気味ではあったが、アドリアーノが飛び出して
ゴールへ押し込み、2-0とブラジルがリードを広げる。

そのまま前半は終了したが、ブラジルが先制した後は
ガーナペースで試合が進み、後半も大いに面白い試合に
なることが予想される。
しかしながらブラジルに2点のリードを許してしまっており
ここからの挽回は少々厳しいかも知れない。

迎えた後半、ブラジルはエメルソンに代えて
ジウベウト・シウバを投入、無理をさせない構えである。
既に観客はガーナの見方であり、ガーナのホームであるかのような
声援がガーナに向けられる。
ブラジルはリードはしているものの、やりにくいだろう。

しかし、ガーナはこの試合で多くのイエローカードを貰っており
もし、仮にブラジルに勝ったとしても今後の試合は
間違いなく厳しい試合になるはずである。

後半もガーナは大いに攻め、ブラジルはその攻撃をしのぎ
一気にカウンターに持って行くといった展開。
そのまま試合は進み、後半15分にブラジルは
アドリアーノを下げてジュニーニョ・ペルナンブカーノを投入。
このジュニーニョ・ペルナンブカーノのシュートは
無回転で不規則な動きで落ちる強力なシュートで
日本の神・川口でも防ぐことの出来ないものであり
一度放たれたシュートがもし枠に行っていれば
まさに運に任せてGKやDFの体の一部に当たるのを祈るばかり。
ブラジルはどうにか3点目を取り、安全圏に試合を
進めようとの試みである。

ジュニーニョ・ペルナンブカーノを投入した後の
後半中盤あたりから、カウンター狙いだったブラジルが
ガーナを攻め立てる場面が多くなる。
ボランチを増やし、中盤を支配している事で
ガーナに攻撃まで持って行かせないのである。

そのまま試合は終盤へと進み両チーム共に
ゴールまで持って行くことが出来ない。
特にガーナはGKと1対1になりながら
ギャンが幾度となく外し、もったいない場面が多い。
確率の高い場面が多いだけに、既に逆転していても
不思議ではない状態となっている。

そしてそんなギャンが後半36分、相手のペナルティーエリア内で
明らかにシミュレーションとなるような倒れ方をして
この試合2枚目のイエローとなり、退場。
これでガーナは絶望的な状況となった。
そしてそれを横目で見るように、ブラジルはカカを下げて
リカルジーニョを投入し、次の試合に備える。

そしてその直後の後半39分、ブラジルがガーナにとどめを刺す。
交代したばかりのリカルジーニョが
ガーナのディフェンスが上がって来たのを見て
絶妙なループパスでゼ・ロベルトへ。
このパスを受けたゼ・ロベルトはワンタッチで相手GKの頭を越し
そのまま無人のゴールへドリブルで持ち込みゴール。
これで3-0とブラジルの勝利は決定的なものとなった。

勝利が決定的となり、ますます調子に乗るブラジル。
幾度となくガーナのゴールを脅かし、決定的なチャンスを作る。
しかし、ガーナも全く引かずに攻め立てており
こちらも決定的なチャンスを多く作り
10人で戦っているとは思えない試合である。
それだけに、このガーナの相手がブラジルでなく
他のチームだったら、本当にこの大会で大化けする可能性のある
興味深いチームだっただろう。

そしてそのまま試合は終了。
終わってみれば、やはりブラジルの強さが目立った試合であったが
ガーナの猛攻も非常に強力であり
次のワールドカップでのアフリカ勢の強さが期待される。
そしてブラジルが決勝戦に向けてますますコンディションを
整えており、それが不気味に光る状態でもある。
やはり優勝は前評判通りブラジルなのだろうか。
この後のスペインの試合は残念ながら見ることが出来ないが
個人的にはスペインに頑張ってもらいたいところである。