携帯電話のマナーで近頃は趣旨が大幅にずれている気がする。
電車の中での携帯の使用が最も一般的なマナーだと思うのだが
最初に言っていた事と大きな矛盾が生じている。
というのも、ペースメーカーなどの医療器具を使用している人にとっては
携帯電話の電波が非常に危険なため、携帯の使用を一切禁じていた。
しかしながら最近ではマナーモードで通話のみを遠慮する所が多い。
これでは全く意味がない。
というのも、PHSを除く携帯電話の電波は通話、メール受信
インターネット接続など、携帯から電波をつなげる作業をしているだけで
十分に電波が飛んでいて、その量は変わらないのである。
つまり、メールを自動受信設定しているだけで
いつ電波が飛んでくるのか、携帯の所持者も分からないのである。
こうなると、完全に矛盾である。
鉄道会社によっては、電源を切らなければならない車両を設けたり
優先席付近での電源を切るように求めているが
これも守っている人は皆無だろう。
特に後者は優先席付近と言ってはいるが
その定義が全く提示されていないために、意味が薄れている。
例えば、6畳くらいの部屋の端で携帯を使っても
その正反対の位置にも電波の影響が及ぶ可能性はあるのである。
となると、優先席から一つはなれた席や
優先席の向かいの席で携帯電話の電源が入っていれば
その影響は優先席の人にも及ぶのである。
医療器具を使用している人を守ると言っているが
この状態では医療器具を使用している人は電車に乗れない
というのが実際のところだろう。
おそらく鉄道会社としては一番の客層は学生や会社員である。
彼らのような忙しい人間にとって、自分へのアクセス元の
携帯電話を不通の状態にする事は、大幅な損害をこうむる事になる。
となれば、多少なりとも電車を使用する人が減る可能性もあるのである。
結局のところ鉄道会社にとって一番重要な客層に有利な方向に
進んでいくのが見え見えである。
現状の措置はこのような医療器具をしようしている人々へ
配慮している振りをして場をつないでいるだけと言えるだろう。
本当なら、今の技術で電車の中を完全に通信不通にする事も
十分に可能なのだから。