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« auがいきなり半額。 | メイン | 次戦はサウジアラビア »

日本対オーストラリア

ついに雪辱を晴らす日がやって来た。
昨年のドイツワールドカップで先制しながらも
手酷いやられ方で逆転された相手、オーストラリアと
日本はAFCアジアカップ準々決勝で激突した。

今回のこのオーストラリア戦、様々な見方があるが
とにかく日本は以前の日本ではない。
それはオーストラリアも同じだが
日本の変わり様はオーストラリアのそれとは
圧倒的に違う。
個人的には日本有利と考えている。
まずは監督。
ジーコ監督とオシム監督。
監督としての手腕は明らかにオシム監督の方が上。
逆にオーストラリアは前回は闘将ヒディンク監督だったが
今回は違う。
次に地の利。
日本はアジアカップのグループリーグから
ずっとベトナムのハノイに滞在している。
しかしながらオーストラリアはタイのバンコクからの移動で
ベトナムの地に慣れていない。
ベトナムはタイよりも高温多湿であり
それに慣れた日本代表の地の利は大きい。
そして最後はメンバーである。
オーストラリアは主力MFの一人、ウィルクシャーが
累積警告で日本戦には出場出来ない。
逆に日本は全員が出場可能。
この3つの観点からこのオーストラリア戦は
日本代表が有利と考えたい。

注目の日本代表のスタメンは
GKに守護神・川口
DFに中澤、駒野、加地、阿部
MFに中村俊輔、遠藤、中村憲剛、鈴木
FWに高原、巻
ベトナム戦と変わらないベストメンバーである。
ベトナム戦の時には巻の起用に疑問符があったが
ベトナム戦で結果を出しており
その上、オーストラリアの高さに対抗するには
巻の起用は当然といえるだろう。
ここに闘莉王がいないのが非常に悔やまれる。
しかしながら現在のベストメンバーで試合が出来るのは
不幸中の幸いと言ったところだろう。
このメンバーでオーストラリアを完全撃破と行きたい。

対するオーストラリア代表のスタメンは
GKにシュワルツァー
DFにニール、ミリガン、ボーシャン
MFにブレッシアーノ、エマートン、カリーナ、カーニー、グレッラ
FWにビドゥカ、アロイージ
驚きのスタメンである。
ケイヒルとキューウェルがいない。
オーストラリアにしてみればスタミナ消耗の激しい試合で
スタメンで主力を出し切ってしまうと
終盤の交代時に大きく戦力が下がる事も見越した布陣だろう。
日本としては早い時間帯に2点以上のリードを取りたいところ。

オーストラリアのスタメンは
前回のドイツワールドカップでのメンバーが9人入っている。
つまりこのメンバーにケイヒルとキューウェルが入れば
ドイツワールドカップと同じメンバー揃う事になる。
逆に日本は大きくメンバーを変更しチームも進化した。
この大一番、非常に注目である。

オーストラリアのキックオフで1-3で負けたワールドカップの
雪辱戦となる大一番がスタート。
ピッチコンディションは33度、65%と言う状態。
この高温多湿な状態は日本にとっては有利である。

立ち上がりからオーストラリアは猛攻を仕掛け
これまでの相手のように引いて守る感じではない。
日本は体格で勝るオーストラリアに苦戦。
特に左サイドのカーニーからの攻撃が要注意である。

日本の立ち上がりはボールが足下に落ち着かず
少々ドタバタした感がある。
パスなどの正確さも欠いており
それをカットされて攻撃されるなど非常に危険である。
日本のこれまでの相手は体格差で劣る相手ばかり。
久々の大きな相手に早く順応して欲しい。

立ち上がりを見る限り、非常にやばい。
オーストラリアが予想以上に強い。
と言うより、日本の動きがぎこちなさすぎる。
日本がオーストラリアを翻弄するのに
絶対的に不可欠なのは中盤を支配する事。
日本の中盤でのパス回しが正確かつスピーディーに
ならない限りオーストラリアを下すのは難しいだろう。

前半12分を過ぎ、以前0-0と均衡は崩れないが
ようやく日本の中盤が落ち着き始め
攻撃では良いボールが前線へ放り込まれる事が多くなる。
また放り込むだけでなく、ドリブルで切れ込むなど
日本のスピードを活かした攻撃が見られるようになる。
後は体格差を克服し守備の面でも
オーストラリアを完封出来れば言うことはない。

と思っていたら前半16分を過ぎると
日本の守備が安定し始める。
高い位置でオーストラリア選手を潰し
日本がもし攻撃中にパスカットされても
すぐにカットし返すなど
非常に良いカバーを展開する。

見ていると高原が非常に良いプレーをしている。
当然の話なのだが、日本が最終ラインから
クリアしたボールを高原が受け
高原はオーストラリア選手のプレッシャーを
一人で受けきってボールをキープ。
日本が攻撃に転じるまでの時間稼ぎをし
上がって来た選手にボールを託して
自らは前線に上がり直す。
当然のプレーだが、これが体格差で勝る
オーストラリアに対してもしっかりと出来ている。
さすがドイツで鍛えた最高のストライカーである。

前半20分を過ぎると日本はディフェンス面でも
完全に日本らしさを取り戻す。
中澤と阿部のラインコントロール。
そして中盤からの早い段階での詰めにより
攻められている時でもしっかりとビドゥカなどの
要注意選手を押さえている。
逆にオーストラリアは我慢出来ずに
DFの選手が上がり過ぎる場面があり
イライラしているのが見える。
おそらくオーストラリアからしてみれば
攻めている感があるだろう。
このタイミングで日本が先制すれば
非常に面白い試合になるはずである。

前半32分、非常に良いディフェンスを
展開していた中澤に対してアロイージがファウルを犯し
イエローを貰う事になる。
中澤はこの試合大分削られているが
さすがはベテラン。
しっかりとファウルを貰い、素晴らしいプレーを続ける。
オーストラリアがイライラからファウルを犯し
一発レッドや累積退場などがあると
日本にとっては非常に有利になるのだが。。。

前半36分、日本は中村俊輔から中村憲剛へパス。
これを中村憲剛が一気にオーストラリア陣内に切れ込み
左サイドから走ってくる遠藤へパス。
これを遠藤がトップスピードのままシュートに持って行くが
あと少しというところで軸足が滑り
ジャストミートしないシュートとなり相手GKに弾かれる。
オシム監督はこのプレーをみて思い切り苦笑い。
非常に良い攻撃だっただけに悔やまれる。
オーストラリアからしてみれば今まで攻めていただけに
このプレーはショックが大きいだろう。

その後も中村憲剛のドリブルが非常に有効に決まる。
前半39分にも彼のドリブルからオーストラリアの
ペナルティーエリア外すぐのところでFKを得るなど
日本に流れが来る。
この前半終了間際に得点で終わりたい。

前半は1分のロスタイムに突入。
最後はオーストラリアが攻める展開となったが
日本は何とか守り切り前半終了。
前半のうちに何とか先制したかったが
残念ながらそれは叶わなかった。
非常に日本に良い流れが来ていただけに悔やまれる。

後半戦の心配は1つ。
ケイヒルとキューウェルの存在である。
彼らが入る事によってオーストラリアはグッと引き締まる。
主力を温存した事で戦力が分散されたが
温存した前半をオーストラリアは無失点で切り抜けた。
逆に日本はベストメンバーで臨んだ前半を無得点で折り返した。
日本の主力メンバーに疲れが見えてきた時間帯で
ケイヒルとキューウェルが投入された時
日本はどう彼らに対して対処するのだろうか。
日本にも羽生や水野と言った強力な選手が揃っている。
しかし相手はプレミアリーグの強豪であるリバプールの
キューウェルとエヴァートンのケイヒル。
彼らと比べるとやはり日本の控え選手は見劣りする。
それをどうカバーし、得点するかがポイントとなる。
望ましいのは後半早々に先制点をあげられれば
日本は大きなアドバンテージを得る事が出来る。
さて、後半どうなるだろうか。

迎えた後半、日本にキックオフで試合再開。
ハーフタイムでの選手交代は両チーム共にない。
前半が互いに譲らぬ白熱した試合展開だっただけに
後半は選手交代が鍵を握る可能性が高い。

後半の立ち上がりだが、日本が試合開始早々から
一気に猛攻を仕掛け、中村憲剛がシュートを放つなど
前半終了時の日本の流れは切れていない。
後半開始時の湿度は71%とまずます多湿になり
オーストラリアにしてみれば最悪のピッチコンディション。
このままオーストラリアの立ち上がりを完全に潰し
この試合の主導権を握りたい。

後半の立ち上がりからオーストラリアの動きが鈍い。
徐々にスタミナを奪われている証拠だろう。
オーストラリアが選手交代に動く前に
日本は得点しておきたい。

中村憲剛などのドリブルに対して
オーストラリアは速さに対抗する事が出来ず
ドリブルがどんどん有効決まっており
日本の得点シーンは間近かもしれない。

そんな日本に有利な流れの中で
左サイドから中村俊輔が自ら託した駒野からの
ボールを受けて一気に切れ込む。
残念ながら得点には至らなかったが
この直後のコーナーキックから高原が
ペナルティーエリア外から強力なシュートを放つなど
ますます日本に流れが来る。

しかしこの日本での流れを断ち切るべく
ついにオーストラリア陣営が動いた。
キューウェルの投入準備を始めたのである。
そして後半15分、その交代で驚きの交代があった。
キューウェルが入ったのだが、なんと交代したのは
エースでキャプテンのビドゥカである。
この交代が日本に取って吉と出るか、凶出るか注目である。
ビドゥカ不在とは言え、代わりに入ったのは
あのリバプールに所属するキューウェル。
一番の要注意人物だったビドゥカがいなくなっても
十分に要注意人物である事には間違いない。

キューウェルの投入でやはりオーストラリアに
活気が戻ってきた。
しかし日本も安心した感じはなく
より気を引き締めている。
オーストラリアが攻める場面は多くなったが
日本はキューウェルを中心にしっかりと守っており
しかも中澤がしっかりとキューウェルについた際に
キューウェルが倒れ、そのプレーがシミュレーションを
取られて交代したばかりのキューウェルにイエロー。
これはオーストラリアの活気をなくすのに
一役買いそうである。

後半23分、またもオーストラリアが動いた。
キューウェル投入だけでは不十分と見て
ケイヒルの交代準備を始めたのである。

ところがその交代を準備している間に
ついに試合が動いてしまった。
後半24分オーストラリアのコーナーキックで
グラウンダーの速く低いボールが入り
これをアロイージが日本ゴールに押し込んだ。
ここまで非常に有利に進めてきただけに
日本はこの先制点で厳しい状況に立たされた。

0-1と先制された直後、オーストラリアは
ブレッシアーノに代えてケイヒルを投入。
日本は選手交代によるマークの相手に気をつけたい。

おそらく日本人全員が意気消沈したこの時間帯に
日本に奇跡が起こったのである。
後半25分、左サイドへ一気にボールを運んだ中村俊輔から
高いクロスがゴールへ入り、これを巻が
しっかりとヘッドでたたき落とす。
このたたき落としたボールを相手GKとDF1人に
完全に囲まれた状態で高原が強力な身体能力でキープ。
ここから驚異的なスピードで振り向きざまにシュートを放ち
まさに右足一閃、値千金の同点弾を
オーストラリアゴールにたたき込んだ。

この高原の得点が一気に日本へ流れを呼び込む。
後半30分、すぐに同点に追いつかれて
焦ったオーストラリアが飛んでもない失態を犯す。
オーストラリアのグレッラが高原に対して
競った際に肘打ちを決め、これでグレッラは
一発レッドで退場となる。
高原も一時ピッチの外に出たが、すぐに復帰。
これで日本は数の上で大きなアドバンテージを得た。
このまま一気に日本としては勝ち越し、そして追加点をあげ
準決勝へと駒を進めたいところである。

そして後半35分にもオーストラリアのカーニーに
シミュレーションでイエローカード。
より日本に有利な展開になる。

直後の後半36分、オーストラリアはFWのアロイージを下げ
MFのカールを投入する。
1人少ない状態を打開するべく
中盤を強化してきたわけである。
これでオーストラリアは全てのカードを使い切った。

一方の日本は後半38分を過ぎても交代はない。
個人的にはもう交代しても良いと思うのだが
どうやらオシム監督は今ピッチ上にいるメンバーが
良い動きをしている限り使い続け
延長戦も考えての戦略なのだろう。
さすがとしか言いようがない。
監督対決ではアジア圏内でオシム監督に
対抗しうる監督は存在しないだろう。

そんな後半42分、ついにオシム監督が動いた。
疲れと足の状態が思わしくない事から
加地を下げて今野を投入してきた。
この今野の投入で駒野は右サイドにチェンジする。
こういった時に駒野の左右どちらのサイドでも可能な
ポリバレントな選手は非常に有効である。

オーストラリアは途中から入ってきたキューウェルや
カールなどのフレッシュな選手を中心に
攻め上がる事があるが、数的不利や
スタミナ不足から動きがどんどん鈍って来ており
体格差を活かしたパワープレイ以外は怖くない。

そして試合は3分のロスタイムに突入。
途中から入った今野がクロスを上げるなど
良い動きを見せていたが、得点には至らない。
また、オーストラリアの時間稼ぎなどもあり
結局1-1のまま前後半90分を戦い切った。
しかしトーナメント戦なのでこの試合に引き分けはない。
この後、15分ハーフの延長戦に突入する。
それでも決着がつかない場合はPK戦となる。

延長戦はオーストラリアのキックオフで開始となる。
日本は立ち上がりからオーストラリアのボールを
すぐに奪い、しっかりとボールを支配する。
よほど何か隙を突かれない限りは
現状でオーストラリアに得点される事はないだろう。
後は日本がどうやって完全に引いて守る
体格的に有利なオーストラリアを崩すかがポイントとなる。

延長戦前半4分、オーストラリアのカウンターで
キューウェルにボールが入った危険な場面で
阿部がキューウェルを止めに入りイエローを貰ってしまう。
無駄なファウルではなかったが、今後を考えると
イエローは貰いたくなかった。
しかしここは止めた阿部を褒めても良いだろう。

延長戦に入り、オーストラリアの動きはますます鈍る。
足をつる選手が出るなど、大分弱ってきている。
そう考えると、日本のスタミナは非常に豊富である事に気付く。
やはりオシム監督が言ってきた90分走りきれる選手が
ここで大きなアドバンテージを得る事につながった。

延長戦前半10分、日本が弱ったオーストラリアを見据え
スピードの速いFWの佐藤寿人を準備し始める。
完全に日本のスピードについて来られないオーストラリアに対し
佐藤の驚異的なスピードは非常に有効である。
延長戦前半11分、巻に代えて佐藤が入り
日本は2枚目のカードを切った。
高原をも上回る日本代表No.1のスピードを見せて貰いたい。

この交代の直後に得点には至らなかったが
佐藤と高原が非常に有効な攻撃を仕掛けるなど
日本の攻撃力は全く衰えていない。
逆にオーストラリアはキューウェル頼みで
攻撃に枚数を割けず、セットプレーなどの
人数が関係ない攻撃でしか日本を脅かす事が出来ていない。
ただ、キューウェルが強力な選手である事には変わりないので
日本が集中を切らしても良い状態ではない。

そのまま延長戦前半を戦いきり、少しの水分補給をして
すぐに延長戦後半へ突入する。

延長戦後半の立ち上がりからオーストラリアのDFニールが
目に見えて弱ってきており、この穴を使って
日本はオーストラリアに止めの1点を決めたいところ。

延長戦後半3分以降、日本のコーナーキックから
怒濤の攻めを見せるが、あと少しというところで
オーストラリアに阻まれてしまう。
やはり動けなくても体格差で届いてしまう事があり
相手GKの手足も長い。
本当にもう少しで得点出来る状態なだけに大いに歯がゆい。
これでPKで負けてしまったら目も当てられない。
それほど日本が有利に試合を進めているのである。

延長戦後半8分辺りで、さすがの日本もスタミナが切れてきた。
動きが遅くなり、アイデアが浮かんでいない状態。
今日本の頭脳が無くなると危険である。
体格差を頭脳プレーで埋めているだけに
絶対に油断して欲しくないところ。

そして延長戦後半10分、オシム監督が最後のカードを切った。
非常に攻撃的に良い動きをしていた中村憲剛に代えて
FWで高さのある矢野を投入する。
このオーストラリアが弱っている状態なら
絶対に攻撃あるのみという事だろう。

矢野が入った後、オーストラリアの嫌な攻撃が続く。
と言うのもキューウェルに頼ってゆっくりと時間を使い
最終的にセットプレーでどうにかしようという戦略である。
日本にとって数的有利が無くなり、体格差でも
一番不利になるセットプレーは避けたいところ。

このオーストラリアの攻撃を守りきり、また日本の時間へ。
オフサイド判定などに阻まれるが矢野や佐藤などが
非常に良い攻撃を展開する。

延長戦終了間際、中村俊輔が強烈なボレーを放つなど
何度も決定的な場面を得るが、1分間のロスタイムが過ぎ
延長戦終了となってしまった。
試合はPK戦に突入するのだが
ここまで有利に試合を進めて来ただけに
なんとしても勝って欲しい。

この延長戦が終わったところで、オシム監督は
PKを見ずにロッカールームへ下がる。
彼の哲学として、PK戦は運まかせというところもあり
戦術はあまり関係なくなる。
そんな部分を見るのは忍びないという事もあり
オシム監督は基本的にPK戦は見ないというスタンスを
取っているわけである。

このPK戦、前大会を思い出して見れば
日本には神がいる。
そう、神・川口である。
前大会ではPK戦で神懸かり的と言うよりも
神そのものと言える実力で
ことごとく相手のシュートを防いで来た。
彼が日本のゴールマウスを守る限り
PK戦で日本が負ける事は無い。

そして運命のPK戦。
先攻はオーストラリア、キッカーはキューウェル。
そのシュートの行方は右隅。
そう、この瞬間、私はまたも神技を目の当たりにした。
キューウェルのシュートが放たれる前から
完全に読んでいたと言う動きで川口も右方向へ飛び
完璧なセービングを見せた。
まだ試合の決着がついていないのに
心の高揚が押さえきれないほどの素晴らしいプレーである。
やはり神・川口の前には欧州屈指のプレーヤーも敵わない。

後攻の日本のキッカーは中村俊輔。
キューウェルと同じく右隅に蹴った。
しかしこのボールにシュワルツァーも
しっかりと反応しておりその異常に長い手を伸ばし
ボールに触ったのである。
ところが、そこは中村俊輔。
キューウェルよりも心の籠もったスピードのあるボールは
シュワルツァーの手をはじき飛ばしてサイドネットに突き刺さる。
これで1-0と1人目のキッカーから日本はリードを奪う。

オーストラリア2人目はニール。
足の痙攣に苦しんでいたが、シュート一本打つくらいは
十分に出来ると考えられる為、安心は出来ない。
ニールのシュートはゴール左隅へと向かう。
その瞬間。。。
また私は神の技を見てしまった。
完全にニールのシュートを読んでいた川口が
ニールのシュートと同時に横っ飛びで
完璧なまでのセービング。
神・川口、あなたは何なんだ?
これを見たオーストラリア監督は唖然。
「俺、何も悪い事してないのに・・・」と
言いたそうな表情でガックリとしている。

そして日本の2人目のキッカーは遠藤。
遠藤は手足の長いシュワルツァーをあざ笑うかの様に
ゆっくりとボールに近づき、ゆっくりとシュートを放つ。
一見止められそうだが、シュワルツァーは一歩も動けず
ボールはゴール中央から少し左側に転がり込んだ。
遠藤らしい相手GKを読み切ったシュートで2-0と
日本は後一歩で勝利を得るところまで来た。
オシム監督はロッカールームでこの様子を見ており
その表情はPKをベンチで見ないと言っても
非常に選手への愛情が溢れたものだった。
おそらくオシム監督がベンチでPKを見ない事を
悪く言う人もいると思うが、この表情を見れば
そんな事は考えもしないはずである。

そしてオーストラリア3人目のキッカーはケイヒル。
さすがにこれは川口の逆をつき入れてきた。

対する日本の3人目は駒野。
日本が世界に誇るサイドアタッカーは
ゴール左上隅にしっかりとスピードに乗ったシュートを決めた。
3人目は両チーム共に痛み分けとなる。

オーストラリア4人目のキッカーはカール。
これを止めれば日本の勝利が決まる。
しかしさすがはオーストラリアリーグ最優秀選手。
ゴール右隅ギリギリに完璧なシュートを決めた。
本来PKとは完全にキッカー有利。
つまり決めて当然なのである。
もしあのコースに打たれたら世界中のどんなGKと言えど
止めるのはまず無理だろう。
そんな完璧なシュートであった。

日本の4人目はここで高原。
この高原が決めれば日本の勝利が決まる。
ここまで圧倒的な存在感で得点し続けてきた
世界に通じるストライカーの高原。
ここは間違いなく決めてくるだろう。
しかし、、、高原のシュートはクロスバーの上。
やはり勝負が決まる大きなプレッシャーの中
120分間戦い抜いた疲労からか、外してしまった。
決めて欲しかったが、日本の有利は揺るがない。

そしてオーストラリア5人目のキッカーはカーニー。
これを止めても日本の勝利は決定する。
そのカーニーのシュートはゴール左に突き刺さる。
さすがの神・川口の神技も2度が限界なのだろうか。

日本の最後のキッカーは中澤。
ビドゥカ、キューウェルなどの強力なFWを
完璧に制した世界に呼ばれながらも日本でのプレーに
こだわり続けた最高のDFが試合を決めにかかる。
そのボンバーヘッド中澤のシュートは日本の全ての思いを乗せて
ゴール右隅へシュワルツァーの逆を突いてしっかりと突き刺さった。
この瞬間日本が準々決勝を制して準決勝へ駒を進めた。
中澤のシュートが決まった瞬間の日本代表の顔を
私は忘れないだろう。
ドイツワールドカップで本当に不甲斐ない試合で
苦渋を飲まされた相手オーストラリア。
有利な条件はあっても、実力としては決して安心出来る相手ではない。
本当に強く、大きな相手であったがそのオーストラリアを倒し
ようやく準決勝進出である。
PK戦が終わってからすぐにオシム監督がピッチに姿を現す。
その時の表情も色々あったが、本当にこの試合を終えて
選手達への愛情溢れた素晴らしい表情で
選手達をねぎらっていた。
言葉は解らないが、それでも伝わるものである。
決して愛嬌のある人ではない。
とてもぶっきらぼうな監督だが、本当に良い監督を日本は得た。
このオシム監督の元で日本は大きく成長する事は間違いない。
とにかく喜ばしく、幸せになる素晴らしい試合であった。
次の準決勝の相手はまだ決まっていないが
もう日本には勝つしか道は残されていない。
このオーストラリア戦での経験は計り知れない。
この経験を礎に成長し、次戦以降を戦い抜いて欲しい。
頑張れニッポン。

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