北京五輪アジア2次予選最終戦で
U-22サッカー日本代表はホームでマレーシアと対戦した。
既に日本は2次予選一位通過を決めており
この試合は事実上消化試合となる。
しかも日本は主力選手がイエローの累積で
大幅に抜けている状態。
と言うわけで、この試合では新しい戦力を
数多く試すべく、大幅なメンバーチェンジを行っている。
日本のスタメンはGKに山本。
DFに田中、一柳、細貝。
MFに枝村、長友、鈴木、上田、小椋
FWに萬代と岡崎。
このメンバーを見れば解る通り
全員が初スタメンである。
これまでU-22に呼ばれ、ベンチ入りした選手はいるが
スタメンはこれが初という何とも予測不可能な布陣。
このメンバーがどのような試合を展開するか見物である。
序盤から日本は右サイドを中心に猛攻を仕掛けていく。
特に長友の活躍が目覚ましく、非常に面白い。
流れとしては早い時間から得点し
とにかく最後の最後まで得点する様な試合が出来れば
今後の日本代表の新たな戦力が多く生まれる事だろう。
相手は格下とは言え、初戦で2-1と少々危険な部分があっての
勝利だった相手であり、しかもこのマレーシアは
この試合に勝ち、他国の試合結果によっては
まだ予選通過の可能性を残しており
この試合にも本気の姿勢である。
それだけに今回初スタメンの選手を試す相手としては
非常に良い相手と言えるだろう。
試合が進むにつれ、序盤から妙に攻撃が通りそうだったためか
狙いすぎる動きが多くなる。
ミスも多く、自滅からの相手の攻撃を誘う場面も多々あり
この辺りはシステムが構築されていない。
そんな前半28分、ようやく試合が動いた。
左サイドの上田からの少々難しいクロスが
ワンバウンドしたところで長友がヘッドで
相手GKと交錯しながらもゴールへ押し込んだ。
これで1-0となり、まずは先制点を得た。
この得点から日本は落ち着きを取り戻し
また良い流れが生まれ始める。
逆にマレーシアが動転しているところで
前半31分、自陣からのFKで前線の中央にいた
鈴木にパスが通り、これを鈴木が目の覚めるようなシュートで
綺麗に決めて2-0。
ここまでの得点は長友、鈴木共に大学生プレーヤーである。
その後も日本は攻め続けるが得点には至らず
そのまま前半は終了。
得点は非常に良い事だが、やはり試合としては
少々若すぎる試合展開と言ったところだろうか。
初の布陣という事もあるが、連携が悪い。
そのポイントを外してもパスなどの正確さや
フィールド全体を上手く使わずに
とにかく前に行ってしまう辺りは
修正して欲しいところである。
迎えた後半、マレーシアがいよいよ焦り始める。
少々荒いプレーが多く、日本は怪我などにも気をつけたい。
そんな中、後半6分に長友が倒されてPKを得た。
そのPKを萬代がしっかりと決めて後半の序盤から3-0と
リードを大きく広げていく。
その後もマレーシアの最低で悪質なプレーが続く中
日本は奮戦していくが、後半14分に試合が動く。
マレーシアのコーナーキックからクロスが入り
このクロスが日本ゴール前で乱戦となる。
そこを押し込まれてマレーシアに得点されてしまう。
得点上は問題ないが、何とも流れが悪い。
マレーシアの汚いプレーに日本がリズムを崩されたとも言えるが
この程度で崩されてしまってはこの先が思いやられてしまう。
そのまま試合は進み日本は杉山、興梠、増田を投入していく。
マレーシアに得点を許した後、疲れもあって
日本は立て直しに苦労したが、興梠と増田の活躍もあり
最終的には再度日本ペースに戻し、試合終了。
終わってみれば3-1と快勝だが、試合内容は良くない。
攻撃面では長友と鈴木が非常に良いプレーを見せたが
ディフェンス面でのミスが多すぎる。
マレーシアに得点された時も本を正せば
日本のミスが原因なのである。
とは言え、新たな戦力が確認できた事は
非常に大きな収穫と言えるだろう。
次の北京五輪最終予選初戦にはよりグレードアップした
U-22を見せて欲しいものである。