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日本対ロシア

女子バレーボールワールドグランプリ2007で
日本は最終戦をロシアと戦った。
昨日のポーランドとの試合で敗戦となり
本日このロシア戦を前に、ポーランドが勝利したため
日本はロシア戦を待たずして
決勝ラウンド進出が不可能となった。
今回の日本代表はあまりに不調な選手が多く
とてもではないがベストな状態とは言えない。
ある意味で世界の厳しさを知った大会となっただろう。
世界の強豪チームではここまでの不調はあまりない。
日本は世界トップレベルには食い込んでいるが
まだその地位を不動のモノとしていない事が明らかとなり
今後の成長の材料にするには良い経験ではないだろうか。
そして最後がこのロシア戦。
近年日本はガモワを止める事が出来ず
ロシアには負けを喫してきた。
このロシア戦で高さと強さに対抗する策を少しでも見いだして欲しい。

その日本のスタメンはこれまでのものと同じ。
そう、栗原が捻挫を乗り越えて復帰したのである。
竹下、栗原、高橋、荒木、木村、庄司
そしてリベロに佐野という布陣でロシア戦に臨む。

対するロシアは驚きのガモワがスタメン落ち。
この屈辱的な扱いを後悔させてやり
ガモワを引きずり出し
ガモワに対してどう対処するかを考えたい。

第1セット、まずはロシアのクイックが決まり
ロシアのポイントからスタートする。
しかし直後にロシアがサーブミス。
これに対して日本は栗原の強烈なジャンプサーブ。
ロシアのリベロに尻餅をつかせるサーブで
挨拶代わりの一発をお見舞いする。
この活躍に高橋や庄司も続き4-2と
日本は序盤からリードを取る。
ところがロシアが意地を見せ3連続ポイント。
5-4と逆転される。
この直後、ロシアがサーブミス。
そしてそれに対し日本は木村の
技有りのループサーブなどで再度逆転。
7-5とロシアを引き離しにかかる。
しかしここでまたもロシアの逆襲を受け7-7。
最初のテクニカルタイムアウトは荒木が決めて
8-7と日本リードで迎える事になる。
その後も日本は荒木のクイックや庄司のブロードで
ロシアの高いブロックをかわし11-8とリードを広げる。
個人的にはこの瞬間も杉山のクイックやブロードと比べると
やはりまだまだ劣っているのが気になるところ。
なぜ杉山を使わないのだろうか。
日本がリードを取っていたのもつかの間
ロシアは4連続得点で11-12と逆転。
この流れは栗原が一発で切って落とし、12-12とするが
やはりこの体格差は大変なものである。
日本はこの体格差を全員バレーの粘りでしのぎ
2回目のテクニカルタイムアウトも16-14とリードで迎える。
そして17-15となったところで、ついに荒木のブロックが炸裂。
これが毎試合出ていれば。。。
そのまま日本はロシアの追撃を許さず
24-20でセットポイントを迎え、最後はロシアのサーブミスで
25-21で日本が第1セットを先取した。

続く第2セット、まずはロシアのポイントから始まるが
日本も負けずに木村が応戦。
序盤から両チーム共に白熱した試合を展開。
最初のテクニカルタイムアウトはロシアが抜け出し
5-8と日本は3ポイントのビハインドを負って迎える。
タイムアウトの後、ロシアのブロックが一気に爆発。
日本は完全にシャットアウトされ攻撃が通らない。
しかしロシアもサーブミスを連発。
2回目のテクニカルタイムアウトはロシアのミスに救われ
13-16と離される事なく迎える。
その後日本は栗原、庄司の活躍で1点差まで詰め寄り
ロシアのスパイクミスで21-21でついに同点に追いつく。
ここでロシアが粘り、22-24でロシアのセットポイント。
ロシアのスパイクミスで1ポイントを返すが
最後はロシアのスパイクが決まり23-25で
第2セットはロシアが勝利し、セットカウント1-1となる。

第3セット、日本は荒木に代えて杉山を投入。
杉山の神速クイックとブロードでロシアのブロックを
混乱させる作戦に出たようである。
このセット、まずは庄司のブロックが連続で決まり
いきなり2-0と日本がリードする。
その後、ロシアに逆転されるが
日本は栗原の活躍もあり6-8と少しのビハインドで
最初のテクニカルタイムアウトを迎える。
しかしこの後ロシアが猛攻を仕掛け4連続ポイントなどもあり
10-16と大きく引き離されて2回目の
テクニカルタイムアウトを迎える。
タイムアウトの後、日本は杉山の神速ブロードで
対抗するが、それ以外の攻撃が通らず
逆にロシアの攻撃はほとんど通ってしまう。
12-20と完全にロシアペースでセット終盤を迎え
15-24でロシアのセットポイント。
日本は庄司がアタックとブロックで2ポイントを返し
ロシアのミスもあり3ポイントを返すが
最後は高橋のスパイクがアウトになり18-25で
第3セットを落としセットカウント1-2と日本は後がなくなった。

迎えた第4セット、日本のポイントから始まり
そのまま両者譲らぬ戦い。
ロシアが高さなら日本は杉山のスピードで対抗。
やはり杉山は速い。
竹下のトスが上がりきる前に打ってしまったり
中央付近から飛び出し、ロシアのブロック陣を
完全に置き去りにした上に
ポールギリギリのところから打ってくるので
ロシアとしては高さが無効化されたまったものではない。
これで杉山がバックアタックを打とうものなら
最強のプレーヤーとなってしまうだろう。
庄司や荒木ではやはりボールが上がり切った瞬間に
打つのでロシアのブロックも間に合ってしまうのである。
結局最初のテクニカルタイムアウトは7-8で迎える。
この後、日本のミスで点差が2点に開き
日本はしばらく食いついて行ったが、徐々に引き離され
2回目のテクニカルタイムアウトは11-16と
またもロシアに引き離されて迎える事となる。
この辺りになると、ロシアも杉山、栗原、高橋で来るのが
解っているようで、杉山の神速攻撃もブロックされ始める。
終盤にかけて、日本は猛反撃を仕掛けるが
19-24でついにロシアのマッチポイント。
結局最後はロシアのスパイクが決まり19-25で
ロシアにまたも敗れてしまった。

これで日本のワールドグランプリ2007は終わった。
終わってみれば世界トップレベルの強豪国には
全く歯が立たない状態であった。
個人的には人選、調整の2つに疑問が残る。
確かに私は杉山をひいきしているが
それはあのスピードが十分世界レベルに
対抗しうる完成されたものだと思っているからである。
今回の大会を通して、日本は相手のブロックに捕まり
攻撃と言えば高橋の技有りのワンタッチを狙ったスパイクか
栗原の強打が中心でその他は安定度が低かった。
その2人の攻撃でも止められる事が多かったのはなぜか。
それは基本的に日本が縦の攻撃だけで横の攻撃が
弱いからではないだろうか。
縦の攻撃は栗原や木村、小山のバックアタックがあった。
しかし横の攻撃は庄司や荒木のブロードだったが
これが全く通用していないのは明らか。
あまりに遅すぎたのが原因と思える。
彼女達のスピードはもちろん速い方だと思う。
しかしそれは日本での話で世界レベルでは通用しなかった。
やはりスピードに関しては杉山を越える人材が出てきていない。
今後の人選に関してはその辺りを考えないと厳しい。

また、仕方ないが調整不足も否めない。
情報によると、高橋はチームへの合流が遅れ
木村は怪我、期待していた菅山も
怪我からの復帰が間に合わなかった。
高橋の合流は所属チームの事情もあるので仕方なく
木村、菅山も怪我はどうにもならない。
そう、これらは仕方がなかった。
ただ今回の日本の戦いはどうもドタバタ感があり
この辺りは結束力の強い日本らしくなかった。
やはりあの結束力は強さを出すには
ある程度の期間が必要なのだろうか。

とにかく今大会はあくまでワールドグランプリ。
最終目標である北京五輪ではない。
北京五輪までに日本代表の更なる発展を期待したい。
その時こそベストメンバーがベストなコンディションで
試合に臨める事を祈るばかりである。

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