女子ワールドカップバレー第3戦で
日本はセルビアと対戦した。
以前のセルビア・モンテネグロには
随分と苦労していたが、国が分裂したため
分裂し、新たなチームとなっている。
しかしながら元はセルビア・モンテネグロであり
先日の大会では世界3位になった実力の持ち主。
日本が油断出来る相手ではない事は確かである。
日本のスタメンは竹下、高橋、栗原、杉山、荒木、木村
そしてリベロに佐野が入る。
セルビアの高さを無効化する杉山の神速ブロードに期待したい。
対するセルビアは日本の竹下の背が低い部分を突いて
竹下のローテーションに合わせて190cm台の選手を
横並びにするローテーションに変更して来ている。
第1セット、まずはセルビアのスパイクが決まり
セルビアのポイントからスタートする。
その後も木村が2連続でブロックされ
序盤から0-3とリードされる。
栗原がフェイントで1ポイント返すが
その栗原のバックアタックもすぐにブロックされ
セルビアの攻撃が止まらない。
しかし日本も栗原が意地のバックアタックを決め
そこに杉山の神速クイック、佐野の好レシーブが続き
流れを相手に渡さず、そこに杉山のブロックと
高橋のサーブポイントで対抗し
最初のテクニカルタイムアウトは6-8で迎える。
スコアではリードされているが、日本の気迫は素晴らしいモノがあり
この試合、面白くなりそうである。
タイムアウト後も杉山がいきなりの神速ブロードを決める活躍。
そして荒木まで強烈なブロード攻撃を決め、点差は詰まらないが
気迫のこもった素晴らしい試合を展開する。
しかしながらセルビアがミスをしない。
やはり強力なチームで、日本は引き離されつつ11-16で
2回目のテクニカルタイムアウトを迎える。
この後、日本は杉山と荒木のセンターコンビが奮戦。
そこに栗原が難しいクロスを決めるなどして徐々に点差を詰めていく。
しかしセット終盤に来てセルビアが盛り返し
日本は勇敢に戦うのだが、17-24でセルビアのセットポイントをとなる。
ここから日本は高橋お得意のワンタッチスパイク、杉山のブロックが続き
その流れに押されたセルビアがミスを犯し20-24まで追い上げるが
最後にはセルビアの強打が通って20-25で第1セットは落としてしまう。
続く第2セット日本は第1セットの流れを保ったまま
非常に気迫のこもったプレイでセルビアと白熱した試合を展開し
最初のテクニカルタイムアウトは8-7とリードして迎える。
その後もほぼシーソーゲーム状態となるが
中盤に来て日本は木村のサーブミスからバランスを崩し
徐々にセルビアに押され始め、2回目のテクニカルタイムアウトは
12-16でセルビアに逆転されてしまう。
タイムアウトの後、今度は逆にセルビアが2連続でサーブミスを犯し
足踏みするが、日本はセルビアの攻撃を止めることが出来ない。
しかしここで荒木が強烈なクイックで流れを引き戻し
17-19と追い上げていく。
ところがここに来てまたもセルビアが粘りを見せ
18-24でセルビアのセットポイント。
セルビアのサーブミス、スパイクミスで20-24まで追い上げるが
結局20-25で日本は第2セットも続けて落としてしまう。
ここまで気持ちのこもった戦いを繰り広げているだけに
どうにか日本には勝って欲しいのだが、これで追い詰められてしまった。
迎えた第3セット、まずはセルビアの強打が決まり
セルビアのポイントで始まる。
日本は栗原の強打や佐野の好レシーブで応戦。
そしてセルビアがここに来てタッチネットからバランスを崩し
そこに高橋がキッチリと叩き込み、流れを日本に引き寄せる。
セルビアのアタックはブロックで弱らせ
栗原のフェイントなどでポイントを取り
セルビアのミスや杉山の神速攻撃も決まって
最初のテクニカルタイムアウトは8-7と日本のリードで迎える。
僅か1点差だが、流れが日本に来ているだけに
このセットは一気に決めてしまいたいところである。
タイムアウトの後、日本はついに荒木の強烈なクイックから
木村がバックアタックで、高橋がワンタッチスパイクで続き
そこに荒木が止めのブロックポイント。
これまで苦しいながらも気迫のこもったプレイを続けてきた
日本がここに来て爆発したのである。
流れが完全に日本に来たと思ったこの直後
セルビアがまたも盛り返す展開になる。
ブロックポイントなどで日本の流れを切り
大量リードを奪っていた日本に対し13-11と2点差まで詰め寄る。
そして杉山のクイックまで止められてしまい14-13とついに1点差。
しかし杉山がブロードでやり返し、竹下がツーアタックを決めて
2回目のテクニカルタイムアウトは16-14と日本リードで迎える。
ここから両チーム一歩も譲らない戦いを展開するが
荒木の強打でついに20-17とリードでセット終盤へ。
ここで日本は高橋に代えてついに大山を投入。
正直、以前の戦いぶりを思い出すと大山に良い印象はない。
しかしここで高橋に代えての起用。
大いに期待したいところである。
この交代直後、荒木がブロックポイントを決めて21-17と
セルビアを引き離しにかかる。
そしてそれに大山が応えて強打を決める。
この流れにセルビアはばたつき2連続でスパイクミス。
ついに24-17でセットポイントを迎える。
そして最後はセルビアのサーブミスで25-18となり
日本はついにセットを取った。
第4セット、第3セットから調子を上げている荒木が
クイックを決めて日本のポイントからスタートする。
セルビアは逆に第3セットから一気に調子を落とし
いきなりのスパイクミスで2-0となり
すぐにタイムアウトを取る取り乱しよう。
こうなればこのセット、そしてファイナルセットを
一気に連取し、以前のセルビア戦を再現し
セットカウント0-2の後のない状態から3セット連取で
勝利したいところである。
日本は荒木と杉山のクイック攻撃を中心にセルビアを攻め立て
もう日本の攻撃が止まらない。
クイックの他にも高橋の強打、木村のサーブポイント
そしてセルビアのミスが重なり
最初のテクニカルタイムアウトは8-2と大量リードで迎える。
その後もセルビアは一気に調子を落としサーブミスなどを連発。
しかも大事な場面でのミスが多く、どうにもならない。
日本は粘りに粘る素晴らしい攻撃でセルビアの追随を許さない。
ここまで気持ちのこもった戦いぶりは
滅多に見られるモノではない。
感動に値するプレイの連続である。
そして2回目のテクニカルタイムアウトも16-9と
完全に日本のペースで迎え、その後もその流れは変わらない。
しかもセルビアは日本のこの粘りの前に
心身ともに疲れが来ており、決められるボールさえも
つまらないミスを犯し、失点してしまう。
日本もミスを犯すのだが、このセルビアの不調に助けられ
20-14と多少点差は詰められるが大量リードでセット終盤へ。
しかしここに来てセルビアが盛り返し
日本のミスもあって22-20と2点差に詰め寄られる。
高橋が止められ。流れが一気にセルビアに傾く。
そしてセルビアのサーブポイントで22-21となり
栗原までブロックに捕まり22-22とこの土壇場で
セルビアに同点に追いつかれてしまう。
しかしこの流れを切る値千金のブロックを杉山が決め
23-22と日本は再びリードを取る。
ところがここで高橋が再び止められるなどして
ついに23-24でセルビアのマッチポイント。
この苦しくなったところで日本を救ったのが高橋。
これまで止められた責任を取るかのように
強打で24-24とデュースに持ち込む。
しかしこの直後、セルビアが2連続ポイントを取り
24-26で敗れてしまった。
本当に素晴らしい戦いであった。
結果はついてこなかったが、こんな試合もあって良い。
個人的にはこの試合の黒星が原因で
北京五輪への切符を逃したとしても
それでも良いと言えるほど最高の戦いぶりだったと評価したい。
このセルビア戦で東京ラウンドは終了となり
次は6日から大阪ラウンドが始まる。
この試合の悔しさをバネに短い期間ではあるが成長し
大阪ラウンドで大暴れして欲しい。
日本の次の試合に期待したい。