女子バレーワールドグランプリ決勝ラウンドで
日本は最終戦、ブラジルとの対戦に臨んだ。
長かったワールドグランプリだが
最後の戦いは現在世界ランク1位のブラジル。
これでこの大会2度目の対戦となるが
日本がベストメンバーで臨むのはこれが初めてである。
これまでの集大成がどう表れるか注目したい。
日本のスタメンはこれまでと同じく
竹下、高橋、栗原、杉山、木村、荒木
そしてリベロに佐野が入る布陣。
対するブラジルもいつものベストメンバー。
格下の日本相手でも全く力を抜いていない。
第1セットまずはブラジルの得点からスタートする。
立ち上がりはどちらも譲らない展開となり
最初のテクニカルタイムアウトまで全く差がない試合が続き
8-7で日本の1点リードで迎える。
しかしこの後、日本が崩れ始める。
ミスなどもあり、ブラジルに連続得点を許し
2回目のテクニカルタイムアウトは11-16と
ブラジルリードで迎える事となる。
この後、日本は杉山の神速ブロードを皮切りに
荒木、高橋が得点し18-17と1点差にまで詰め寄る。
しかしながらタッチネットやサーブミスなど
攻めた結果とは言え残念なミスで再びブラジルに引き離され
24-20でブラジルのセットポイントとなり
ブラジルの2連続ミスを挟んで22-24と2点差まで
再び詰め寄り、そこに木村の粘りのスパイクが決まり
この土壇場に来て23-24とついに1点差とする。
しかし怒濤の反撃もここまで。
ブラジルのタイムアウトを挟んで迎えた栗原のサーブは
ブラジルのコートの外に外れ、23-25で
第1セットはブラジルに軍配が上がった。
続く第2セット、まずは高橋の一発で始まる。
日本はこのセット、荒木に代えてセンターに多治見を投入し
流れを引き寄せにかかっている。
立ち上がりは栗原のスパイク、木村のバックアタックなどが光り
最初日本のリードで展開するが
タイムアウト前に少々崩れて、最初のテクニカルタイムアウトは
6-8とブラジルのリードに変わって迎える。
その後もブラジル先行の流れは変わらず
2回目のテクニカルタイムアウトも11-16と
ブラジルにリードを広げられて迎える。
日本は杉山に代えて荒木を投入し
再び流れを引き寄せにかかる。
そして終盤に来て日本が反撃を見せるが
ブラジルが20-24とセットポイント。
日本はこれを即座に切り、栗原がしっかりと決めて
連続ポイントを取り、22-24と第1セット同様に
土壇場で怒濤の追い上げを見せる。
そしてブラジルのタイムアウトを挟んで
今度は大村のブロックポイント。
日本は23-24で1点差に詰め寄った。
しかし反撃もここまで。
最後はシェイラのバックアタックが決まり
23-25で第1セットと同じ流れ、同じスコアで
第2セットも落としてしまう。
後のない第3セット、まずは高橋のキレのあるスパイクで
日本のポイントでスタートする。
このセットも第2セットの最後同様にセンターには
多治見と荒木が入っている。
立ち上がり日本は順調に得点を重ね
ブラジルのミスもあって、最初のテクニカルタイムアウトは
8-6と日本のリードで迎える。
しかしこの後ブラジルに同点に追いつかれ
そのまま徐々に押される展開となり
2回目のテクニカルタイムアウトは14-16で
ブラジルリードに変わって迎える事となる。
この後日本は踏ん張りきれず
18-24でブラジルのマッチポイントとなる。
栗原が意地の一発をお返しするが
最後はシェイラにやられて19-25で
第3セットを落とし、ストレートで敗れてしまう。
終わってみれば決勝ラウンドは
イタリア戦での勝利のみで
それ以外は敗戦となってしまった。
個人的希望もあるが、このワールドグランプリでの戦いは
あくまで北京を睨んだ戦い方をしており
日本の真の実力は違うところにあると信じていたい。
マカオラウンドなどでチーム力向上のため
レギュラーメンバーを控えに回しチーム力を向上させたが
その結果がすぐに決勝ラウンドで出るとは思い難く
またレギュラーメンバーも新たな戦力に協力し
実際に結果の出せるチーム力向上には至っていないと考える。
つまりより経験値を多く得られるような戦い方と
調整をしていたと考えるのが妥当だと思われるのである。
このワールドグランプリの後、日本が今大会で得た経験を素に
今後の調整をし、本当の意味でのチーム力向上を図るのが
日本代表の狙いだと考えるのである。
特に決勝ラウンドでは格上の世界トップレベルの強豪との試合で
現状で足りないモノを再認識したに違いない。
次は北京五輪本番となるが、それまでに日本代表が
更なる進化を遂げてやってくれる事を期待したい。
楽しみである。