女子バレーワールドグランプリ決勝ラウンドで
日本はアテネ五輪の覇者、中国と再び激突した。
先日の戦いでは、日本はベストメンバーではなく
完敗の苦汁を飲まされたが、この試合の日本は
先日の日本とは明らかに違う。
ベストメンバーな上に、ようやく調子が上がり準備万端。
イタリアをストレートで破った勢いで
中国も撃破して欲しいものである。
日本のスタメンはこれまでと同じく
竹下、高橋、栗原、杉山、木村、荒木
そしてリベロに佐野が入るベストメンバー。
第1セット、まずは中国のスパイクが決まり
中国のポイントでスタートする。
立ち上がりは中国のチョウ・ヌイヌイの活躍が目立ち
日本は不調ではないながらも
最初のテクニカルタイムアウトを4-8で迎える。
そしてこのタイムアウトの後、中国の4連続ポイントなど
日本はなかなか流れを掴む事が出来ず
2回目のテクニカルタイムアウトは8-16の
ダブルスコアという大量リードを取られて迎える。
日本はその後も杉山の神速攻撃とブロックポイント
それに栗原の強力なサーブ、木村の力強い攻撃などで
中国に対抗するが、中国が追随を許さず
17-25で第1セットは中国に軍配が上がった。
続く第2セットは日本のポイントでスタートする。
そしてその直後、非常に長いラリーの末
最後は荒木の強烈なブロックポイントで
日本は立ち上がりから2連続ポイントで
良いスタートを切る。
逆に中国は調子を崩しており、ミスが目立つ展開。
地力はさすがと言わざるを得ないが
下らないミスが多く、日本としてはここにつけ込みたい。
最初のテクニカルタイムアウトはこの流れもあり
8-4と日本のリードで迎える事となる。
しかしながら、さすがはバレー大国中国。
怒濤の6連続ポイントで点差を詰め、14-13と中盤に来て逆転。
そのまま2回目のテクニカルタイムアウトは14-16と
中国リードで迎える。
その後、日本は諦めず食い下がっていき
セット終盤、ついに日本が中国を23-22とリードする。
しかしすぐに中国に切られて23-23とされ、直後にも押し込まれ
23-24で中国のセットポイントとなる。
日本はすかさずタイムアウトを取り、仕切り直しを図る。
タイムアウトの後、長いラリーの末に中国のミスで
24-24とデュースに持ち込む。
狩野のサーブがアウトとなるが、栗原が決めて25-25。
中国のチョウ・ヌイヌイがスパイクを決めるが
これも栗原が思い切り打ち抜いて26-26
しかし栗原のバックアタックがネットを越えず
オーバータイムスとなれば
今度は木村が打ち込んで27-27。
そしてこの長いシーソーゲームに木村が再び打ち切り
28-27と日本のセットポイント。
すぐに中国に切られ28-28と試合は気が抜けない展開に。
この展開の中、日本は再び木村で打ち抜いて29-28と
再びセットポイントを迎え、ここでピンチサーバー櫻井を投入。
そして戻ってきたボールを荒木が強烈なスパイクで叩き込み
30-28で日本が長く苦しい第2セットを取った。
セットカウント1-1で迎えた第3セット
日本はこのセット、高橋に代えて狩野をスタメン起用。
こうやって高橋を外せるのも、このワールドグランプリで
チーム力の向上の為、ベストメンバーでなく
様々なバリエーションを世界トップレベルの強豪相手に
試してきた結果と言えるだろう。
高橋と言えど、やはり不調の時はある。
そう言った時の選手層の厚さは大事である。
立ち上がりは中国のチョウ・ヌイヌイの活躍もあり
中国に先行される展開となり
最初のテクニカルタイムアウトは2-8と
中国に大量リードを取られて迎える。
その後も日本は中国のオウ・イメイのパワープレイ
ヒョウ・コンのツーアタックなどをどうにも止めることが出来ず
杉山に代えて大村を投入するなどして流れを変えにかかる。
そしてこの大村の投入が功を奏し
いきなりのブロックポイント、それに栗原が続いて
サーブポイントを決めて流れを引き寄せる。
しかしながらそれまでのリードがあまりに大きく
2回目のテクニカルタイムアウトは9-16で迎える事となる。
その後も大村がスパイク、サーブでポイントを重ね
外れはしたがバックアタックまで披露するという活躍ぶり。
以前は杉山の代わりはいなかったが
こういった選手層の厚さは心強い。
大村に続き、狩野も活躍を見せ、途中出場の選手につられて
栗原などもスパイクを決めて日本は中国に追いすがる。
しかしながらそれでも中国を止められず14-24と
大差で中国のセットポイントを迎え
中国のサーブミスで1ポイントを返すが
最後は押し切られて15-25で第3セットを落としてしまう。
後のない第4セット、日本は大村をそのまま残している。
立ち上がりから日本は2連続ポイントで入り
良い流れで第4セットをスタートさせる。
中国も引き離されることなく接戦となるが
非常に光るのは荒木の活躍である。
オープンスパイクにブロックポイントなど
攻守に渡る活躍で、日本の流れを引き寄せている。
同じセンターの杉山ほどのスピードはないが
パワーは明らかにチームナンバーワンなだけに
そのパワーを活かした攻撃が生きている。
最初のテクニカルタイムアウトは
直前に中国の連続ポイントがあり、6-8で迎える。
日本はどうにか踏ん張ろうとするのだが
中国の超重量戦車オウ・イメイの攻撃が止まらず
2回目のテクニカルタイムアウトは10-16と
中国にリードを広げられて迎える事となる。
日本はこの後、狩野・栗原の強烈なサーブが決まり
日本は連続ポイントを取るが
中国も負けずに3連続ポイントを取り
なかなか点差が縮まらない。
しかしそんな中、セット終盤に来てついに大村が
オウ・イメイをブロックし日本は3点差まで詰め寄る。
だが中国も踏ん張り20-24で中国のマッチポイント。
日本は木村が打ち切って1ポイントを返すが
最後はシュウ・ソコウの打ち切られて21-25で
第4セットを落とし、セットカウント1-3で敗れてしまう。
負けはしたが、昨日のイタリア戦同様に
非常に面白い試合展開となった。
やはりこの決勝ラウンドの相手は世界トップレベルであり
格上の相手となる。
常勝出来るほど甘くないのである。
そのため、評価すべきは経過である。
北京五輪では結果が求められるものの
このワールドグランプリは北京で結果を出すための
経過が求められる。
それだけに明日の最終戦、ブラジルとの戦いは
大いに注目したい一戦となる。
楽しみである。