女子ワールドカップバレー2007最終ラウンドで
日本はアメリカと対戦した。
昨日の手痛い敗北から一夜明け
その悔しさをバネにどんな試合を見せてくれるのか
大いに注目の一戦である。
日本のスタメンは昨日と同じく、竹下、高橋、栗原、杉山、荒木、木村
そしてリベロに佐野が入る布陣。
対するアメリカも昨日の試合で一敗を喫しており
日本をねじ伏せるべく、ベストメンバーで臨んで来ている。
第1セット、まずは佐野が綺麗にレシーブし
それを竹下が完璧なトスを上げ
それをエース栗原が決める完璧なポイントで始まる。
その後も佐野の素晴らしいフォローや
高橋の強打などで本当にテンポの良い試合を展開。
最初のテクニカルタイムアウトは8-7とリードで迎える。
点差はあまり離れていないが、日本の立ち上がりは良く
この試合負ける気がしない。
是非ともこの予感が当たって欲しいものである。
タイムアウト後も日本は栗原の強打、荒木のブロックなどで
強気のバレーを展開するがミスも目立ち逆転され
2回目のテクニカルタイムアウトは14-16で迎える。
しかしタイムアウト明け、日本が異常なほどの粘りのバレーで
流れを再び引き寄せにかかるが
木村の調子が悪くミスが目立ち、流れが日本に来ない。
逆にアメリカは安定した試合運びで徐々に日本を引き離し
16-24でアメリカのセットポイントとなる。
日本は粘るのだが、この点差ではどうにもならず
奮戦するも17-25で第1セットを落としてしまう。
続く第2セット、まずはアメリカのポイントから始まり
日本はブロックに捕まるなどして
序盤いきなりの3連続ポイントで0-3とリードされる。
日本はこの苦しい状態を打開すべく
杉山を一時下げて多治見を投入。
多治見は直後にポイントをあげるなどしてチームに貢献するが
それでもアメリカの高いブロックに苦しめられ
最初のテクニカルタイムアウトは5-8でアメリカリードで迎える。
そしてタイムアウト明け、今度は多治見までも止められ
日本はいよいよ苦しくなった。
その後もエース栗原の攻撃が通らず
2回目のテクニカルタイムアウトを7-16で
大差をつけられて迎える事となる。
日本はその後も苦しめられながら食らいついていくが
やはりこの点差を縮めることは叶わず
13-24でセットポイントを握られ、1ポイントを返すが
最後は14-25で第2セットを続けて落としてしまう。
後のない第3セット、アメリカのサーブミスで
日本のポイントから始まる。
この第3セット、第2セット途中で入った多治見が
そのまま入っている。
個人的には杉山ではなく、木村を代えても良いと思うが
バックアタックなどの武器を考えると
そうも行かないのかも知れない。
このセット、日本が粘りに粘る素晴らしいバレーを展開。
後の無い状態で吹っ切れたようである。
しかしそれでもアメリカが止まらない。
そしてアメリカに通じない。
こうなるとなぜなのか理解に苦しむが
やはりアメリカが強いと言うべきなのだろう。
結局最初のテクニカルタイムアウトは7-8で
アメリカに一歩及ばずリードされて迎える。
その後も日本はアメリカを射程圏内に収める事が出来ず
12-16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎え
奮戦するも栗原が完全にシャットアウトされて
19-24でついにアメリカのマッチポイントとなる。
日本は最後に1ポイントを返すが続かず
20-25で第3セットを落とし
セットカウント0-3のストレートでアメリカに敗北してしまった。
決してモチベーションは低くなかったし
最後まで勇敢に攻めていった。
しかしアメリカが強かった。
確かに木村がもう少し調子が良ければと思うところもあったが
それだけが原因とは考えにくい試合であった。
ベテラン多治見を投入し、高橋が難しいところで決めても
アメリカが調子を崩さない。
アメリカの試合運びを誉めるべきなのだろうか?
しかしそれでも勝てない試合ではなかったと感じてしまう。
あえて個人的に考えられる要因と言えば
選手層の薄さではないだろうか。
日本には強力なアタッカーがいるが
控え選手には少ない。
やはり竹下、高橋、栗原、杉山、荒木、木村と言った
この6名と比べればベテラン多治見や
新たな戦力である庄司なども悪くはないが
少々差が大きい気がしてならない。
もし落合、菅山、宝来、小山などが万全の体調で
チームに居てくれたら、この苦しい状況を
打開する事が出来たかもしれない。
それぞれに悪いところはある。
しかしそれぞれの良いところを活用する方向で考えた時に
もっとやりようがあったかも知れない。
この敗戦で日本は今大会での北京五輪への切符は閉ざされたが
来年5月に行われる大会でまだ望みが残っている
そしてその前に明日のブラジル戦も残っており
まだワールドカップバレーが終わったわけではない。
明日のブラジル戦、今後の日本代表の大きな糧となるような
試合を見せて欲しいものである。